BIM導入による生産性向上についてはCAD普及当時から注目されてきましたが業務プロセスの変革などの高いハードルがあり、業界全体で考えればまだ発展途中という印象を受けます。
しかしながら早い段階からBIMに着目し、技術、システム、生産体制の見直しを徐々に行ってきている取引先企業もあり、物件の積算から建方完了までの一元管理が当たり前となる時代が到来する予感もあります。
弊社においては全体の業務割合の約半数がBIM取り組み案件のプロジェクトとなっており、
日々新たな課題が発生し業務効率化を図る必要性に迫られています。
課題の種類にはさまざまなものがありますが、中でも多いのは正確なモデルを作成するというシンプルなものです。
ここでいうモデルとは、単に視覚的に成り立つものではなく実際に鉄骨製作に必要な情報を持ったモデルと言う意味になります。
一見簡単なように見える課題ですが鉄骨は自由度が高く納まりのレパートリーが無限に存在するため、原寸可能なレベルの正確な情報を入力するとそれなりに難易度が高くなります。
KAPシステムではそれらの新たな納まりが発生する度、専用のマクロを追加作成し対応していただけるので非常に助かっています。
マクロでも対応できない納まりは、ロギングやファスナー作成の機能を使用すれば、ほとんどの鉄骨納まりに対応できます。
鉄骨製作のための情報を正確に入力するという点においてKAPシステムは非常に合理的な専用CADであると感じています。
今後はKAPシステムを導入しているファブリケーターと連携して入力したデータがより高い精度で鉄骨製作活用できるようなモノづくりに特化したモデルの作成を目指していきたいと思います。
KAPシステムはさまざまな機能を用いて正確に入力を行える反面、入力方法が標準化できないように感じる場面もあります。
最終的にはどうにか入力できるのですが、それまでのプロセスが複雑だったり、予想外な場所に機能が格納されていたりと良く言えば奥深い、悪く言えば使い手を選ぶという印象も受けます。
一定期間で更新されるマクロについても一見同じようなマクロが複数あり、種類が膨大で、今なお増え続けています。
現状の操作画面レイアウトでは専用CAD初心者がそれらの中から正しい機能を選定するのはなかなか難しい作業になるのではと思います。
ある程度、操作に慣れてきた作業者でも使いたい機能を見つけるのに手間取り、必要以上に時間を要してしまうこともあります。
今後は画面レイアウトの整理、操作手順の簡素化、操作ガイドを充実させ初心者でも扱いやすくなるような進化を期待しています。